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映画『この世界の片隅に』― それでも生活を紡いでくれた人達がいたから、今がある。

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以前から気になっていた映画ですが、先日友人に「すごく良いから観て欲しい!!」と強くおすすめされたので、その翌日に早速観てみました。

原作も知らず、どういう映画なのかもあまり予備知識なく見たのですが、結論から言うととっても良い映画でした*°
ほんわかほっこりする部分もあり、戦争の恐ろしさを身近に感じられる部分もあり、色々なことを感じ、考えさせられました。

戦争を題材にした映画は今まで何作も観てきましたが、今までは戦争をどこか外から見ているような感覚だったのに対し、この作品は中に入って、戦争を身近なものとして捉えられた映画でした。


その中でも印象的だったのは、
「防空警報飽きた〜」
という台詞。


戦争という状況が生活の一部になっていたことがすごく伝わってきた。
そして、あまりにもよくあることだから、地震が起きても「また地震かー」と軽く捉えてしまうことが連想された。
だけどそんな日常が一瞬で崩れ去ってしまうことがある。
今までたまたま大きなものに当たっていなかっただけで、いつ自分の身に起こるかもわからない。
非日常が日常になってしまうと、そのことを忘れてしまったりする。


海外に住んでいた時も、最初は何でも新鮮で、非日常を感じられたけど、時間が経つにつれてそれが普通になっていくし、そこにあるのは生活。
よく海外に住んでいたと言うと、刺激的で楽しい毎日を過ごしていたんだと想像されることが多いですが、実際に住んでみると海外にいるからと言って毎日が刺激的になるわけではなかったりします。
どんなに新しい環境でも、初めてのことでも、次第に慣れていき、それが普通になる。
人間の適応能力ってすごいなと思うし、同時に慣れって怖いなとも思う。
よく”初心を忘れない”と自分を戒めるために言いますが、敢えて言うということは、それだけ普通は忘れてしまうものなのかなとも思います。


今当たり前のように生きて、生活しているけど、今があるのは、過去にこれだけ辛い経験をして、絶望を感じながらも、日々を生きて紡いで来てくれた人達がいたからこそなんだな、というのを映画を観ていてすごく感じました。
諦めずに復興してきてくれた人達がいたから、今こうして豊かに暮らしていられる。
そういう実感が身体にじんわり染み渡るように広がっていき、涙もじんわり。
傷つきながら、痛みを抱えながら、それでも前を向いて毎日を生きていく人々の強さに感動したし、心から尊敬します。
そしてクラウドファンディングによってできた映画というのをエンドロールで知ってそこにも感動でした。


それでもまたきっとこの感覚を忘れてしまうから、思い出せるように、時々観返したい映画。
そして多くの人に観て欲しい映画です。